大阪高等裁判所 昭和25年(う)1839号 判決
更に弁護人は原判決は鉋を毀棄したと認めたが毀損の個所は刄の部分だけである。鉋は鉋の台に刄を挿入した工具一で取替えが自由である。刄の毀損は鉋の效用を全面的に失わせるものでないから全面的效用を失つた如く判示したのは誤認であると主張するけれども、鉋の生命は刄にあるのであるから刄が毀損された以上たとえ取替え自由であつても物質的には鉋の一部の損壊であり效用面からは全面的な效用の毀損である。而して刑法第二百六十一条に損壊とは物質的に物の全部、一部を害し又は物の本来の效用を失わしむる行為を言うのであるからたとえ鉋の刄の毀損であつてもいわゆる鉋の毀棄である。原判決に事実の誤認はない。(後略)